2010年10月25日
2010年08月08日
時系列と断片の手法
久しぶりに「メメント」を借りて観る。
ご存じない方のために言うと、この映画は最後から時系列を逆に編集されている。
妻を強姦され殺された主人公は、脳に障害を負い、直前の出来事を15 分しか覚えていられない。すぐに忘れるので、場面をポラロイドで撮り、記憶のあるうちにメモをする。そして彼に関わる者らは、忘れてしまう彼の障害を利用しようとする。
今回、借りた中に「リバース」のヴァージョンが入っていた。こちらは最初から時系列に沿って、話が展開する。
おまけに監督のノーランがインタビューで、記憶についていろいろ話していたが、理屈そのものはさほど面白くなかった。
そうした制作者の意図とは別に、「メメント」は観客に個別の記憶を呼び起こす力を持っている。
私はホラーやサスペンスにあまり興味はないが、そうしたジャンルでは記憶が大きな要素になりやすい、と思う。
あるいは、まったくの勘違いがどこかに刷り込まれている設定が多い。時間の概念があやふやになるというのも定番だ。
おそらくドラッグの体験があるかないかで、この映画に対する見方はまったく別なものになるだろうという気がする。
そのうち、なんとなく二十歳の時に読んだビュトールの『時間割』を思い出した。
さらに、書評をやらされたミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』だったかを苦々しく思い返した。
小説であまり時系列をいじくると、読む方がしんどいし、それを得意げにやるクンデラなどは鼻について仕方がない。
いや、隠喩や暗喩を多用して、いくらでも読者をごまかすことはできるが、オルダス・ハクスレーほどの博識がないと、つまらない。
両者を分けるのは、ちょっとした笑いのセンスではないかと思いながら、実のところ、その笑いが最も難しい要素なのだ。
2010年06月12日
「雨の訪問者」TV版
肝心のシーンが抜けてるので「報告書」は書けないけど、まあ、ジョベールを愉しめます。
ブロンソンの『狼の挽歌』を連想された方はこちらの有名なラストをどうぞ。→ http://www.youtube.com/watch?v=JHsJPB5AKQk
2010年06月06日
2010年05月30日
2010年04月24日
It's Easy To Say
20年ぶりくらいで、映画「10」を観た。 ……ああ、40歳を過ぎた頃はそんな迷いもあったなあ、と思い返す。
ムーアとアンドリュースは、共に1935年のイギリス生まれ。米国映画だけど、ダメリカン・スターとは雰囲気が異なる。
そしてブレイク・エドワースといえば、「酒とバラの日々」。音楽もヘンリー・マンシーニ。
英国系のお笑いといえば、ベニー・ヒルという下ネタ専門の素晴らしいオヤジがいた。
ベニーはさらに公爵の地位を利用して、執事の爺さんをいたぶるというジョークも飛ばしていた。
そんなことを日本でやったら大いに顰蹙をかうけれども、笑いのセンスはやはりお国柄なのだろう。しかし、そんなことはどうでもいい。
この映画ではBoの美女ぶりが話題になったが、40歳を過ぎたジュリーの妖艶さが見所だとあらためて感じた。
2010年03月20日
The Harder They Fall
(1956)
ハンフリー・ボガート(1899~1957)の遺作であり、日本では未公開ながら、その後の映画界に少なからず影響を与えた、と思う。
アルゼンチンから連れてきた大男を八百長でチャンピオン戦まで持っていく、というアンチ・アメリカン・ドリームのストーリー。
ボガートは失業したスポーツ記者で、転戦の段取りや裏取引をするが、さて、辞めるというときになって、大男の報酬が50ドル足らずであることを知り、愕然とする。ヘミングウェイの書いた「Winner Take Nothing」の世界である。
「マルタの鷹」や「カサブランカ」、「キー・ラーゴ」といったハード・ボイルド系の40年代から、いわゆる「赤狩り」の時代を経て、あまり有名ではないが、この邦題「殴られる男」では、最後にボクシング界の裏側を記事で暴露する姿勢を見せる。ボギーはすでに癌を患い、これが最後の出演になることを感じていたろう。
このシーンは実力で相手を倒したと思い込んでいる大男に、インチキを知らしめる場面だが、エンディングでは2万ドルあまりの報酬を男に与えて、アルゼンチンへ帰国させるという流れになる。さらに、男を「転売」しようとしたプロモーター(ロッド・スタイガー)の一味が脅しに来るが、やれるもんならやってみろ、お前らの悪事を書いてやるぜ、と啖呵を切って、タイプライターに向かうところで映画は終わる。
ボギーはジョン・ヒューストン監督(「チャイナ・タウン」で悪役で出ていた)と組んだ「黄金」や「アフリカの女王」など秀作があるけども、個人的には「The Harder They Fall」が最も好きだ。 ……うん? ただ、それだけのハナシです。
ハンフリー・ボガート(1899~1957)の遺作であり、日本では未公開ながら、その後の映画界に少なからず影響を与えた、と思う。
アルゼンチンから連れてきた大男を八百長でチャンピオン戦まで持っていく、というアンチ・アメリカン・ドリームのストーリー。
ボガートは失業したスポーツ記者で、転戦の段取りや裏取引をするが、さて、辞めるというときになって、大男の報酬が50ドル足らずであることを知り、愕然とする。ヘミングウェイの書いた「Winner Take Nothing」の世界である。
「マルタの鷹」や「カサブランカ」、「キー・ラーゴ」といったハード・ボイルド系の40年代から、いわゆる「赤狩り」の時代を経て、あまり有名ではないが、この邦題「殴られる男」では、最後にボクシング界の裏側を記事で暴露する姿勢を見せる。ボギーはすでに癌を患い、これが最後の出演になることを感じていたろう。
このシーンは実力で相手を倒したと思い込んでいる大男に、インチキを知らしめる場面だが、エンディングでは2万ドルあまりの報酬を男に与えて、アルゼンチンへ帰国させるという流れになる。さらに、男を「転売」しようとしたプロモーター(ロッド・スタイガー)の一味が脅しに来るが、やれるもんならやってみろ、お前らの悪事を書いてやるぜ、と啖呵を切って、タイプライターに向かうところで映画は終わる。
ボギーはジョン・ヒューストン監督(「チャイナ・タウン」で悪役で出ていた)と組んだ「黄金」や「アフリカの女王」など秀作があるけども、個人的には「The Harder They Fall」が最も好きだ。 ……うん? ただ、それだけのハナシです。
2009年04月24日
Adieu L'ami
アルジェリア戦争(1954~62)はベトナムほどに語られることがなく、つい忘れがちになってしまうところを少し勉強しなければ、この時代のフランス映画は分からないのかもしれない。映画は観せると同時に、まずいことを隠すためにも使われる、という両面をあらためて感じさせられた。ドロンとブロンソンで魅せるだけかと思えば、そうでもない。どことなく背景に気味の悪いところがある。脚本になかったのか、編集時にカットしたのか。これだけの話ではないと思わせるザラザラした感触が残る。
ただ、金庫を抜け出してグラスの酒を傾け、互いに見知らぬ友となった後が、意外にスピーディなシナリオで展開してゆく。
今回、廉価版で出ているのはフランス語に、日本語とスペイン語の字幕がつく。ドロンの英語吹き替えはいつもお粗末だから、ブロンソンのフランス語やイタリア語の方が、まだマシだろう。熱弁をふるう俳優でもないし、無口でも問題はない。ドロンに勝る存在感がある。何といっても、ジル・アイアランドが共演してないのがよろしい。
↑↑↑ については、わたくしも練習したけど、人生に役立つことはなかった。
2009年03月08日
2009年03月04日
The Glass Key
とても修羅場をくぐってきたギャンブラー役に見えないアラン・ラッドが、大きなミス・キャストだった。
しかし、小説の「ガラスの鍵」は個人的に最も好きな作です。ボスの手足となる検事、対立するもう一人のボスが操る新聞屋etc、司法とメディアの権力闘争に利用され巻き込まれる悪党たちが面白い。ハメット自身の視点に近い傑作だと思います。
2009年03月04日
The Maltese Falcon
「おれはきみを警察へ引き渡す。まあ、命だけは助かるはずだ。二十年もすれば娑婆に出てこられる。きみは天使だ。おれは待ってるよ。
万が一、死刑になっても、いつまでもきみのことは忘れないだろう」
2009年02月05日
Z
イヴ・モンタン、ジャン=ルイ・トランティニャン、イレーネ・パパスなど錚々たるメンバー。
若きジャック・ペランは製作も兼ねた力の入れようで、ポスターがまたかっこよかった。
60年代といわず、ギリシァという国を考える上で、ふり返ることの多い名作です。
2009年02月03日
Citta' Violenta
ブロンソンで思い出したけど、「狼の挽歌」は傑作でしょう。
殺し方やラスト・シーンは後世に大きな影響を与えたと思う。
ビデオは持ってるけど、長めのDVDが出たので、安くなったら買い。
もともとイタリア映画なので、ハリウッドのアクションものとは味わいの異なる哲学がある。
さらにテリー・サバラスが、いかにも悪党のボスらしいハマリ役を演じて、堂々の禿げぶりが光りマス。
2009年02月02日
2008年12月19日
2008年12月14日
Heads or Tails
レンタル屋から「No Country for Old Men」を借りて観た。
殺し屋の映画かと思ったが、そうではなかった。まっとうな科白が秀逸で、詩的なセンスあふれる傑作でしたよ。
the altimate badass に狙われるモスが、メキシコに逃れて入院する場に、別の殺し屋がやってくる。
You can't make a deal with him. Principle that transcent money or drugs or anything like that. Might even say he has principles.
そして忠告した殺し屋も、間もなく殺される運命に。
You should admit your situation. There would be more dignity in it. If the rule your followed brought you to this, of what use was the rule?
さらに殺し屋は何の関係もない妻を殺しに現れる。
Your husband had the opportuinty to save you. Instead he used to save himself.
People always say the same thing.
What do they say ?
They say, "You don't have to do this." そしてコインを投げる。(Heads or tails ?)
Call it. ----No, I ain't gonna call it.
Call it. ----The coin don't have to say. It's just you.
Well, I got here the same way the coin did. というのが殺し屋の「[principle 」である。
わたしもまた、人生などは神仏のいない「あみだくじの世界だ」と考える男なので、かれの原則はわかる。
一方、最後まで殺し屋に会うことなく引退する保安官は、I feel overmatched. と旧友に心情を吐露する。
ここで保安官助手をしていた爺さんの言う決め科白がなかなか渋い。
Well , all the time you spend trying to get back what's been took from you, more is going out the door.
After a while, you just have to try to get a tourniquet on it.
そう、出血を止めるのが先決で、揉めるほど貧血に陥るというのはホントですよ。
歳をとれば神が余生を導いてくれると思っていたが何もなかった、と悲観する保安官に、爺さんがダメを押す。
What you got ain't nothing new. This country is hard on people. You can't stop what's coming.
It ain't all waiting on you. That's vanity.
わたしは何年も亡父の夢を見ていない。不思議なくらい夢には出てこない。だが、そのうち見るようになる。
殺し屋の映画かと思ったが、そうではなかった。まっとうな科白が秀逸で、詩的なセンスあふれる傑作でしたよ。
the altimate badass に狙われるモスが、メキシコに逃れて入院する場に、別の殺し屋がやってくる。
You can't make a deal with him. Principle that transcent money or drugs or anything like that. Might even say he has principles.
そして忠告した殺し屋も、間もなく殺される運命に。
You should admit your situation. There would be more dignity in it. If the rule your followed brought you to this, of what use was the rule?
さらに殺し屋は何の関係もない妻を殺しに現れる。
Your husband had the opportuinty to save you. Instead he used to save himself.
People always say the same thing.
What do they say ?
They say, "You don't have to do this." そしてコインを投げる。(Heads or tails ?)
Call it. ----No, I ain't gonna call it.
Call it. ----The coin don't have to say. It's just you.
Well, I got here the same way the coin did. というのが殺し屋の「[principle 」である。
わたしもまた、人生などは神仏のいない「あみだくじの世界だ」と考える男なので、かれの原則はわかる。
一方、最後まで殺し屋に会うことなく引退する保安官は、I feel overmatched. と旧友に心情を吐露する。
ここで保安官助手をしていた爺さんの言う決め科白がなかなか渋い。
Well , all the time you spend trying to get back what's been took from you, more is going out the door.
After a while, you just have to try to get a tourniquet on it.
そう、出血を止めるのが先決で、揉めるほど貧血に陥るというのはホントですよ。
歳をとれば神が余生を導いてくれると思っていたが何もなかった、と悲観する保安官に、爺さんがダメを押す。
What you got ain't nothing new. This country is hard on people. You can't stop what's coming.
It ain't all waiting on you. That's vanity.
わたしは何年も亡父の夢を見ていない。不思議なくらい夢には出てこない。だが、そのうち見るようになる。
タグ :ノーカントリー



